風立ちぬ
「好きな映画は何か?」と聞かれると、色々あるのだが、とりあえずジブリの「風立ちぬ」が頭に浮かぶ。零戦の設計者である堀越二郎の半生と堀辰雄の小説「風立ちぬ」をモデルに創られたジブリの映画だ。
本当に静かで淡々とした映画で、つまらないと言う人もいれば感動してしまう人もいる。「物作りのエゴに取り憑かれた技術者の話」と言う人もいれば、「技術者のやるせない悲愴を描いた作品」だと言う人もいる。
作中には様々な古典芸術が組み込まれているように思う。トーマス・マンの「魔の山」、モネの「日傘をさす女」、聖書(伝道の書)など。個人的にはゲーテの「ファウスト」やダンテの「神曲」的な要素も入っているのではないだろうかと思ってしまう。
作中で主人公が尊敬する設計家のカプローニ伯爵が主人公に対して力強い励ましの言葉を口にするのだが、それがまた良い。物を創ることが好きな人はもしかしたらこの映画を好きになれるかも(?)