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Computer Engineering, Arts and Books

物を創るって?

 買えばすむような物を作っていると、「どうして作っているの?買えばいいじゃん。」と言われることがある。物を作っている理由は深く考えたことはないのだが、強いて言えば「面白いから作っている。」のだと思う。ただただ、面白い物や便利な物を作りたいと思って手を動かして物を作る。本当にそれだけだ。
 一度物を作ってみると、作った物の構造の理解が深まる。例えば簡単なCPUやOSを一度作ってみると、パソコンやスマートフォンがいかに洗練された設計で作られているかが理解できるようになる。それらを使っているだけで、「よく動いてるなぁ。これ。すげぇ。」といった具合に感動して設計者をリスペクトせずにはいられなくなる。その感動を味わえるだけでも物を作ることには意味があるように思う。
 手を動かして色々と物を作って行くと、いかに洗練された設計が美しいかなんとなく分かってくるような気がする(気のせいかも知れないが)。これはアートやエンジニアリングやサイエンスに共通することだと思う。エンジニアリングに関しては少ない部品で必要な機能を実装することが、設計の美の一つの指標だと思う。要するに分かりやすいシンプルな設計は美しいのだと勝手に思っている。
 物を作ることで自分たちの周りにある物の凄さや美しさが分かる。そうすると、日々生活をしているだけで色々な小さな感動に出会える。これだけでも手を動かして物を作る価値はある。しかし、実はまだ「物を作る。」と言うことを掘り下げてみると別の価値観が見つかるかも知れない。それは手を動かしながら物を作ったり、洗練された物を観察することで発見できるのかも知れない。